つくる人から笑顔に。ヨシケイのおいしさをつくる「メニュー開発」の裏側
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「つくる人から笑顔に。」をテーマに、忙しくて買い物に行く時間がない、レパートリーが少ない、毎日のメニューを考えるのはたいへん!そんな悩みを解決してくれるヨシケイのメニュー。
お客様のニーズに合わせて選べるように、コンセプトの異なる3タイプ11コースをラインナップし、栄養士の資格を持つ開発メンバーを中心に、複数の部署が連携してメニュー開発に取り組んでいます。
数々のヒット商品を生み出しているメニュー開発部のMWさんと商品物流部のKSさんに、新メニュー開発の背景や裏話についてインタビューしました。
PROFILE
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MWさん
メニュー開発部メニュー開発課
メニュー開発部メニュー開発課主任。大学卒業後、こども園にて管理栄養士として献立作成・調理・食育、併設の子育て支援センターでは食育講話などを行う。2018年にヨシケイ開発に入社。開発チームにてプチママをはじめ定番や食彩など6コースを担当。管理チームでは明細等のチェック業務を担う。
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KSさん
商品物流部商品一課
商品物流部商品一課。大学卒業後、大手回転寿司チェーンで仕入業務の経験を積む。2021年ヨシケイ開発に入社。水産商材の仕入れを担当し、魚バイヤーとして全国各地を駆け回る。
目次
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各コースのコンセプトに合わせたメニューづくり
メニュー開発におけるそれぞれの役割を教えてください。
MWさん:
ヨシケイには3タイプのメニューブック「すまいるごはん」「Lovyu(ラビュ)」「和彩ごよみ」があり、すべてのメニューを私たちの部署で開発しています。
3タイプそれぞれに複数コースが用意されていて、全部で11コースあるメニューの開発を開発チームメンバー6人で分担。私は「Lovyu(ラビュ)」のバリエーションコースと「すまいるごはん」のフリーセットコースを担当しています。
メニューづくりのほかにも、撮影した写真のチェックや新商品の試食なども、おいしいメニュー開発に欠かせない仕事です。
また、主任としてチーム内の意見をまとめて課内で打ち合わせしたり、総合企画部や商品開発部、プロモーション部など複数の部署と相互に情報共有しながら、メニューづくりを進めています。KSさん:
商品一課の主な役割は、ミールキットに使用される食材の開発や提案です。課内には3人のバイヤーがいて、私は水産を担当。メニュー開発部がほしい商材を調達したり、旬のものや安くなっている魚を提案して、メニューづくりをサポートしています。
献立を考える栄養士の皆さんが、自身のつくりたいメニューにより近づけるように、こだわりの商材を時には鮮度のよい状態で、時には扱いやすいように簡便化して提案しています。
普段は食べられることがない未利用魚の中にも、おいしい魚がいっぱいあるんですよ。それを全国津々浦々駆け回って見つけてくるような仕事もしています。 -
課内で意見を出し合いメニューを確定
メニュー開発の流れについて教えてください。
MWさん:
企画会議で決まったコンセプトに合わせて各コース担当がメニューを作成し、課内で意見を出し合ってメニューを確定していきます。
主な流れは「主菜メニュー作成→主菜会議→導入確認会議→副菜メニュー作成→副菜会議→明細チェック→撮影→誌面構成→メニューブック完成→お客様お届け」となります。
主菜は他のメニューとのバランスを考えながら、月に1度、全メニューの1か月分を同時に決めています。副菜は1週間ごとに主菜とのバランス、1週間通してのバランスを考慮して作成しています。KSさん:
商品一課では、過去に取り扱ったことのない商材や旬の食材、たくさん穫れた野菜や肉、魚を提案し、開発チームに献立を考えてもらいます。販売する半年以上前から製造元と商談して規格を設計し、プレゼンしています。
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食材や味付けのかぶり、栄養バランスをチェック
メニュー開発にあたり、大切にしていることはありますか?
MWさん:
コースがたくさんあるので、それぞれのコンセプトに合ったメニュー提案ができているか、メニューの内容がかぶっていないか、毎日ご利用いただいているお客様も多いので、栄養バランスや味付けの偏りなども十分に考慮して、メニューづくりをしています。
また、野菜の多くは地場のものを使っているので、複数のコースで同じ曜日に同じ食材を使っていないかも、チェックするように心がけていますね。自分の担当外のコースメニューも確認して、多くの目が入るような体制を整えて臨んでいます。KSさん:
私は自分が食べておいしいと感じたものを提案するように心がけています。そのためには、使用している原料がどこでどのように漁獲され、どうやって加工されたか、一気通貫して理解することが不可欠です。
また、各部署やFC、お客様からどんな質問がきても瞬時にお答えできるように、生産者の方々とのコミュニケーションを大切にしています。直接会ってお話しすると、おいしさの理由やもっとおいしくするヒントなど、新しい気づきがたくさんあって勉強になります。 -
人気の低い魚を使った新商品を開発
メニュー開発にあたり、苦労されたことについて教えてください。
MWさん:
栄養バランスを考慮することはもちろんですが、写真を見て購入するお客様が多いため、「おいしそう」と思えるような見た目、そのための色合いや食材の使い方に注力しています。
あとは、万人受けするメニューと嗜好性のあるメニューの導入バランスですね。例えば、肉料理と魚料理では、肉料理のほうが人気があって販売数は見込めますが、だからといって毎日肉料理では、栄養バランスが偏ってしまいますよね。
では、魚を取り入れる場合、どうやったら「おいしそう」と思ってもらえるか、同じ魚でも塩焼きや煮付け、唐揚げにして調理法を変えてみたり、副菜との組み合わせに変化を持たせたり、メニューの組み合わせを工夫しています。KSさん:
魚担当として、頭が下がります(笑)。
お魚の中でも売れている魚種と売れてない魚種がはっきりしています。認知度の低い魚や手を加えないとおいしく食べることができない魚の商品開発には苦労しました。
とくにニシンという魚は安価で水揚げが多く、おいしい魚である一方、小骨が多く、食べる際に邪魔になるため、ヨシケイでは人気の低い魚です。そんな小骨が多いニシンをハモ同様に細かく小骨を断ち切り、フライの商品にすることで、まったく骨の気にならない商品にしたことは、苦労はしましたが、とてもよい経験になりましたね。
開発のヒントになったのは、ハモの骨ぎりです。ヨシケイではハモの炊き込み商品を販売しているのですが、ニシンの骨の入り方がハモの骨の入り方に近いものがありました。これはニシンに使えるのではないかと思いつき、食べやすくなるように工夫しました。 -
4名のシェフと1年かけて複数のメニューを開発
商品の成果や反響が得られた経験について教えてください。
MWさん:
ヨシケイとCLUB RED(株式会社ぐるなびが主催する日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」において、優秀な成績をおさめた若手料理人と歴代の審査員が集うコミュニティ)のコラボ企画で、週替わりでシェフ監修のメニューが楽しめる「シェフ監修のミールキット」の開発を手がけました。
これまで単発でのコラボメニューは開発してきましたが、4名のシェフと1年かけて複数のメニューを開発するのは初めての挑戦で、シェフと相談しながら、手探り状態で進めていきました。
難しかったのは、コストや調理時間などの制約がある中で、プロの味を表現しなければならないこと。時間をかけて開発したメニューが、結果として出荷数や売上に繋がったのは本当に嬉しかったですし、達成感がありました。
また、私たちが想像もしていなかった食材や小袋調味料の使い方も勉強になりましたね。通常メニューを開発する際に応用させていただいています。KSさん:
私が入社した2年前はコロナ真っ只中で、食材が高騰して手に入らない事態に見舞われ、安定して商材を提供するのが商品物流部の使命でした。
そこで、1年間通して原料を確保する年間契約として、原料買い付けや年間契約の取り組みを重点的に取り組みました。とくに年間契約は相場に左右されず、安定して1年間お客様に商品をお届けできることで、社内からもFCからも反響がありました。
このほか、一昨年から取り組んだプロジェクト、ツナ缶をツナパウチに変更したことも、大きな成果を得られました。ヨシケイ全社でパウチに変えることで、ゴミ処理が楽になり、手を切る心配が軽減され、重量が軽くなったことで運送時のCO2削減など、お客様やFCから反響がありました。
社内外の同意を得るまで苦労しましたが、今では年間使用量が約160万パックを超えるまで成長を遂げています。 -
ヨシケイブランドの養殖魚を開発したい
今後開発・取り組んでみたいメニュー、商品があれば教えてください。
MWさん:
今年4月、商品部や企画部のメンバーと一緒にタイへ、5日間の海外研修に行ってきました。本場のタイ料理をお届けすべく、タイの食文化を学んだり、市場調査へ行ったり、たくさんの刺激をもらって帰って来ました。より本場の味に近いメニューの開発に役立てたいです。
KSさん:
ヨシケイブランドの養殖魚を開発したいです。餌や水域にもこだわった無投薬の養殖魚を「ヨシケイフィッシュ」として、安全・安心にお客様に召し上がっていただきたいですね。